河道改修(河道拡幅、河床掘削、堆積土撤去等)

二級河川(県管理河川)及び準用河川(市管理河川)に対し、河道改修により治水安全度の向上を図るとともに、浚渫等により治水機能を維持します。
二級河川海老川水系河川整備計画や流域治水プロジェクトでは、海老川(河口~八栄橋)、長津川(海老川合流点~東武野田線上流)、飯山満川(海老川合流点~上池上流無名橋)において、1 時間に約50mm の降雨(年超過確率1/10 程度)による洪水を安全に流下させることを目標としています(長津川は改修済)。海老川流域水循環系再生計画でも、この目標を参考に達成状況を評価していきます。

【事例】河道改修の代表断面(海老川)

【事例】河道改修の代表断面(海老川)
出典:二級水系海老川 河川整備計画

調節池の建設

海老川流域では既に長津川調節池が運用されており、長津川及び海老川下流部の治水安全度の向上に大きく寄与しています。また、海老川調節池も用地買収を進めるとともに、今後の海老川調節池の多目的利用について検討していきます。

長津川調節池

図 長津川調節池

海老川調節池(整備中)

図 海老川調節池(整備中)

雨水浸透施設の設置

新規開発地においては、開発事業者の協力を得ながら、雨水浸透施設の設置を促進します。
戸建住宅(新築・建替)においては、パンフレットの作成・配布や小・中学校での水循環に関する出張講義により雨水浸透ますの効果についてPRを行います。また、建築確認及び排水確認の申請時における官・民一体となった設置指導を行い、住民の協力のもと、雨水浸透施設の設置を促進します。
さらに、戸建住宅(既存)においては下水道供用開始時などの排水改良工事を雨水浸透ますへの付け替えの機会としてとらえ、供用開始に伴う下水道工事説明会で雨水浸透施設の必要性を説明し、住民の協力のもと、雨水浸透施設の設置を促進します。
また、新規開発地や既成市街地の戸建住宅、公共施設における雨水浸透施設設置のさらなる促進方策について検討を進めていきます。
流域住民及び企業は、各家庭や工場の敷地内などに雨水浸透施設を設置します。
新規開発地・戸建住宅に加え、公共施設への普及を促進します。また、洪水を防ぐだけでなく、地下水や湧水を保全・回復し、平常時の河川流量を増加させるなど、水循環系の再生を図ります。

海老川調節池(整備中)

図 海老川調節池(整備中)

雨水貯留施設の設置

海老川流域では、新規開発地や学校・公民館などの公共施設を対象に雨水貯留施設の設置を推進しています。今後も、開発業者への協力要請をするとともに、学校・公共施設などへ普及を促進し、浸水被害の軽減を図ります。また、公共施設における既存の雨水貯留施設は、治水効果が発現できるように維持管理を実施します。

流域内の小学校や中学校、高等学校では、校庭や校舎の屋上に降った雨水を集めて校庭へ一時貯留する取組が行われており、海老川の治水安全度の向上に貢献しています。千葉県に甚大な被害をもたらした、令和元年台風第15号及び第19号並びに令和元年10月25日の大雨時にも、その貯留効果が発揮されました。
また、薬園台高等学校の施設は浸透施設も兼ね備えており、雨水の地下への浸透による、平常時河川流量の確保や湧水の保全効果などが期待できます。

【事例】雨水貯溜施設

船橋市立高郷小学校(令和元年10月25日の大雨時)

船橋市立高郷小学校(令和元年10月25日の大雨時)

千葉県立薬園台高等学校

千葉県立薬園台高等学校

公園・緑地等の整備と保全

昭和30年以降の急激な都市化による緑の減少は、都市環境の悪化のみならず水循環系にも悪影響を与えています。将来においても、都市化の進展に伴い、緑の減少は続くものと推測されています。
しかしながら、公園等は都市における緑とオープンスペースの中核をなすもので、水循環系のみならず、地域環境の形成に重要な役割を果たしています。そこで、計画的な緑の保全や新たな緑の創出に努め、健全な水循環系の再生と潤いのある安全なまちづくりの推進を図ります。

【事例】緑地の整備と保全

芝山緑地

芝山緑地

東船橋花輪緑地

東船橋花輪緑地